メイドロボのシステムを考える

さく: ねこぽん@マルチモード

第1章 -- はじめに

 たまには、まじめに考察してみようという企画。18禁まざっちゃいましたので、そこはコメントにしてあります。お客さん、にげないで^^; もと情報は、当然ながら Win版のシナリオです。

 その後、「公式設定」たる Piece of Heart が入手できましたので、セリオに関する部分は更新しておきます。でも、PoH の設定では問題があるんだよなぁ。

第2章 -- 電源

 エネルギ源としては、Li-Ion系蓄電池があげられていますが、はたしてメイドロボが8時間動くためには、どの程度の電池が必要なのか、考えてみましょう。まずは人間の能率でどんなものなのか検討してみましょう。

 人間の出力は、脚力で50Wくらいが限界線(←ねこぽんの実績値)。出力はモータということなので、効率はかなりいいはずなので、100W程度を8時間出力しつづけるとすると、合計2.88MJ(メガジュール)になってしまいます。

 さてこれを電池ですべて供給するとすると、いま使っている Libretto 用 Li-Ion バッテリの「高容量版」の方 (PA2503U) が、10.8V、2.4Ah (25.9Wh =93.24kJ) なので、30本必要です。PA2503U の大きさは、25cm x 15mm x 40mm くらい(目測) ですので、これの30倍(体積)とすると、人の胴回りくらいになってしまいそうです。

 それに燃料電池が追加されているわけで、胴体はエネルギ源だけで埋まってしまいそうです。もともと厳しそうなんですが、かがめますか、セリオさん。こうしてみると、脂肪のエネルギ密度と、人間の肉体の効率はすごいものです。

 マルチは Li-Ion 系ですが、セリオは Li-ポリマ系だそうです。ポリマのすきまにうまく Li イオンを突っ込めれば、Li ポリマも問題は同じでしょう。元素が軽いので軽そうですが。ん、ということは、身長はセリオさんの方が高いけど、体重はマルチさんの方が大きいのかな? そういうことは乙女の秘密?

 燃料電池ですが、いまのところ、二次電池ほどのエネルギ密度は達成していないと思いました。ネックになるのは水素の貯蔵で、金属水素化物、あるいは水素貯蔵金属を使うとすると、値段がすごいことになります。また、体積を考えてもたいした量は積めないのではないでしょうか。現在知られている金属水素化物の水素貯蔵量は、大きめに見積もってもその体積の10倍程度です。しかも水素を吸着させるとおおきく膨らみます(これおもしろいですよ←でも胸にいれるのは却下)。
考えてみるとほんのちょっぴり。ということで、予備バッテリとして燃料電池を積むのは難しいのでは?

 エネルギ供給源を内蔵するってことはたいへんですね。燃料による発電機のほうがましだったかもしれないですね。アルコール燃料であれば比較的安全ですし。
連想してみる……$unstopよっぱらい$unstop酔拳セリオさん。
飲めば飲むほどよく働く。うわお(^^;

 さきほど入った情報によりますと、アルコール(メタノール)から直接発電できる燃料電池が開発中だそうです(「テクノ探偵団」7/29)。CO2も出ますが、もちろんそんなものは呼気として排出してしまえば良いので気になりません。
なんか、酔拳セリオさんが一番ありそうな線かもよ。マジで。水素を貯蔵するよりよっぽど安全だし。燃える(not 萌える)けど。……まてよ、味覚センサが搭載されていないのは、実はこれが原因か?

 ちなみに、エネルギ供給源を分散しておかないと、胴体をねらって撃たれたときにエライことになります。大爆発する可能性もあります。なので、腕や足にも電池が分散配置されていることでしょう。固体電池なんで、骨格の一部にしてしまうのもおもしろいかも。

第3章 -- モータ

 メイドロボの動力は、ステッピングモータと超音波モータとのことです。どちらもそれほど力の出るモータではないんですがねぇ。

 超音波モータの小さなものを非常に多数ワイヤ上にならべ、それを一斉に引っ張ることで大きな力を出すことは可能です。というより、超音波モータってそれくらいしか手がないような。そういったモータは、細かい作業が必要な手指の駆動に使うと良いでしょう。もちろん、指は腱で動かしますので、モータ自体は腕に入っています。

 ステッピングモータは、永久磁石の力でステップを保持しているので、かなり重いわりには力がない、という欠点があります。消費電力的にもなかなか辛いものがあります。いまのところ、ポリマ系磁石はあまり性能がよくありません。また、永久磁石は本当に永久なわけではなく、だんだん磁力は落ちていきます(身を削って力を出しているわけで、エネルギ保存則はちゃんと成り立つのだ)。ということなので、ステッピングモータ案はちょっと信じられません。

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第4章 -- 動力伝達・骨格

 動力は、骨格と表皮に伝達されてはじめて動きをなします。さきほど考えてみた通り、いくつかのモータはリニアであるとすると、腱が必要です。

 こういった力のかかる部分に金属を使うと、どうしても重くなります。軽金属を使えばいいじゃないか、という意見もありましょうが、アルミは大理石よりも比重が重い、という事実をご存じでしょうか?

 そんな理由で、腱、骨格、表皮は炭素繊維でできているんではないか、というのが私の仮説です。そうでもないと、あの体重は実現不可能でしょう。あなたは、メイドロボに足を踏まれて骨折したいですか?

 あ、でも、炭素繊維がわりと軽い、という仮定にもとづいてるので、もしかすると違う素材かもしれません。何にせよ、金属やガラス系では比重的に厳しいと思います。すくなくともプラスチック系でしょう。エンプラあたりが適切でしょうが、FRP のガラス繊維ですら重すぎると思います。

 人間のバランスだと、頭に比重が集中しています。二本の足で立つ、ということは、かなりの背筋力と慢性腰痛という犠牲をはらっています。人形を持ち上げる、ということを考えると、そのへんのバランスは似たようなものにする必要があります。PNNC-205Jを頭に積むと、バランス的にはいいのかもしれません。

 冷却システムは、水の潜熱を使うようです。表皮に水を送って、じんわり染み出す間に蒸発させ、潜熱で体温を下げる方針のようです。これだと、高湿度では能力が低下する危険性がありますが、それもまたいいか。『しずけさや、暑さでうだるメイドロボ』ってな。これを含め、全体の冷却に水冷を使っていますが、電気と水の相性はなにせアレですから、絶縁には気をつけましょうね。水道水が使えるので、ときどき水を飲ませるとよいらしいです。水道水は灰分を含んでいますので、メンテナンス上ろ過が必要で、ときどき濾過器を洗浄してトイレに流すようです。そんなことをレディに問い詰めるもんぢゃありません、藤田くん。

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第5章 -- センサ

 メイドロボには、おびただしい数の圧力・温度・湿度センサが表面にびっしりとつけられているはずです。さてそんな数のセンサをどうやって作り込むか、そしてデータを内部に取り込むか。計算量から言っても、相当に難しい課題です。

 現代的には、圧力は歪み計として、温度計は抵抗値の熱変化を使えば測定可能です。それをマイクロレベルでぎっしりやるには、印刷技術でなんとかしてもらいましょう。湿度計はいい素材がないので、温度が高いときに汗でも放出してもらって、その比気化熱で計ってもらうということにしましょう。ただ、こういった微妙なセンサをミクロレベルで再現性良くびっしり作るのはなかなか難しいはずです。とくに湿度計は、単品ですら高価なシロモノです。難しいなぁ。

 そのデータを取り込むにはですが、体の各所にデータ処理プロセッサを分散しないと、おびただしい量の線が頭にはいらないといけません。人間でもかなり太い神経管を使用しますので、金属電線ではすごい太さになりそうです。なんとか表面から内部へ入れて、近辺で一次のデータ処理をさせるということでどうでしょう。信号伝達は、金属を使わないと損が大きすぎる電気より、ファイバが使える光のほうが軽くてすむのではないかと踏んでいます。エネルギ源としても、多少は使えます。

 味覚センサと臭覚センサは、いまのところ「だんだん壊れながら測定する」タイプのものしか見つかっていないので、適当な周期で交換する必要があります。当然ながら、とんでもない物質にさらされる可能性が高いわけで、かなり短い周期になるでしょう。生物の場合は、定期的に交換しているようなものです(ので亜鉛の補給を欠かさずに)。この手合いのセンサにとっては、メタノールは恐怖です。

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第6章 -- 脳みそ

 計算機屋の意地にかけていろいろ考えてみたんですが、お手上げです。これぞまさに来栖川の技術でしょう……。『フェザータッチオペレーション』(たしか柴田昌弘)というマンガでは、大型計算機をいくつもならべてやっとでした。しかし、あの計算量を考えると、サイズは数十リットル以下でないと実時間対応できないでしょうね。だって光の速度は有限なんだもの(そういう意味では、『フェザータッチオペレーション』には現実味がないです)。そんなわけで、脳幹部分と新皮質部分は分割して、脳幹は各運動器官ごとに分散配置しないと、おいつかないかな。あっ、頭がとれるのに手足が勝手に動いている。あ〜るか?

 仕掛け的には、パラレルニューロだそうです。ニューロはどうも人工知能ネタでは良く出てきますね。ニューロはデバッグがとてつもなくたいへんだったりします(だって状態が明示的には見えないんだもの)が、そこは来栖川の技術なんでしょうかね。パラレルについては、マイクロチップを多数並べる(オンチップで多数のマイクロプロセサを駆動し、それを並べ倒す)てな方法のようですが、放熱がきつそうです。演算能力からいえば、現代の大型計算機なぞ目じゃないのですが、いかんせん記憶容量が膨大なもんで、そいつが今のところの壁のように思います。DVD ごときで入るのか、あの容量は?

 色の識別でたいへんなのは、茶色の識別です。ねこぽんとの対話で目の色を聞いていたのには、ちゃんとわけがあったんです(本当に茶色ですけどね)。 茶色は、スペクトルをとると赤と区別がつきにくいです。ですから、よくやる方法としては、全体の輝度を見極めてから赤と茶色を識別します。なかなかたいへんです。

 瞳が濡れているのはレンズクリーナなんでしょうか。かえってごみが付着しやすそうですが。だからといって眼鏡なセリオさん……あ、いいかも……。まばたきはするんでしょうか。交換レンズはもちろんありますよね。動物の場合、焦点合わせにはレンズの厚みを変えていますが、光学系の光路長がほとんどとれないことを考えると、意外と本命かも。光電変換はCCDだそうです。CMOSのほうが面白いのにね(ってのは東芝人の発想か)。


第7章 -- 更新履歴